賃貸物件を退去する際に発生する「原状回復費用」は、多くの方にとって気になるポイントです。原状回復とは、借りていた物件を元の状態に戻すための修繕作業を指します。とはいえ、すべての修繕費用を借主が負担するわけではありません。ではどこまで原状回復の義務になるのでしょうか?どこからが自己負担になるのでしょうか?今回は原状回復の基準や自己負担の範囲、費用の目安、注意点について詳しく解説します。
賃貸物件の原状回復、どこまでが自己負担?費用の目安と注意点

1.原状回復の基本的な考え
●そもそも原状回復とは?
賃貸契約が終了し、退去する際に、借りていた部屋を「借りた時の状態に戻すこと」を言います。ただし、完全に「入居前」の状態に戻すという意味ではありません。
●なぜ原状回復が必要なの?
賃貸借契約では、入居者は物件を「善良なる管理者の注意をもって使用する義務」があります。普通に生活していれば避けられない程度の損耗(通常消耗)や使用していく上で古くなってしまうもの(経年劣化)は大家さんが負担します。しかし入居者の故意や過失、あるいは通常の範囲を超えた使用によって生じた損耗や汚損は、入居者が費用を負担して回復する義務となります。
【通常(自然)損耗】
通常(自然)損耗とは、生活していくうえで自然に発生する汚れや傷のことです。具体的には以下のようなものが該当します。
・家具や家電の設置跡:冷蔵庫やテレビなどを置いていた部分の床や壁にできる跡
・壁紙の日焼け:直射日光により色褪せた壁紙
・フローリングの摩耗:歩行によるフローリングの色落ちや小傷
・カーペットのへたり:長期間使用したことによる繊維の劣化
これらは借主に過失がないため、原則として貸主が負担します。
【経年劣化】
経年劣化は、物件や設備が年月の経過とともに劣化する現象です。以下のようなケースが該当します。
・水回りのパッキンの劣化:シンクや浴室のゴムパッキンの劣化や黒ずみ
・畳の変色:自然光による畳の色あせ
・クロスの剥がれ:接着剤の劣化による壁紙の剥がれ
・設備の寿命による故障:エアコンや給湯器などの老朽化
これらも借主の責任ではなく、貸主が修繕費を負担します。

2.借主が負担となる具体例
しかし借主の故意や過失、管理不足によって生じた損傷は原状回復の対象となり、借主が修繕費用を負担する必要があります。具体例をいくつか挙げてみましょう。
①過失による汚れ・傷
・飲み物をこぼしてフローリングやカーペットに染みを作った
・画びょうやネジで壁に穴を開けた
・重い家具の移動でフローリングに傷を付けた
・タバコのヤニや臭いによるクロスの変色や黄ばみ
②故意または重大な過失
・子供がクレヨンで壁に落書きをした
・ペットが柱や壁を噛んだり、引っかいた
・無断で壁紙を張り替えたり、ペンキを塗った
・ベランダに物を置いて雨漏りを引き起こした
③不適切な使用
・換気を怠り、浴室やキッチンにカビを発生させた
・エアコンのフィルター清掃を怠った結果、故障した
・排水口の掃除を怠り、排水詰まりを引き起こした
・コンロの掃除不足で油汚れが固着した
このような場合は借主の責任として、原状回復費用の請求対象になることがあります。

3.費用の目安や費用を抑えるための注意点
原状回復費用は修繕の内容や物件の状態によって異なりますが、一般的費用の目安は以下のようになります。
【費用目安】
●壁紙の張替え(たばこのヤニ汚れや大きな傷がある場合)・・・1,000~1,500円/㎡
●フローリング補修(小範囲の傷の補修の場合)・・・10,000~30,000円/箇所
●畳の表替え(日焼けや軽度の汚れがある場合)・・・4,000~8,000円/畳
●クリーニング(一般的なハウスクリーニング)・・・20,000~40,000円
●クロス全面張替え(部屋全体に汚れや傷が広がっている場合)・・・50,000~100,000円
【原状回復費用を抑えるための注意点】
① 契約時の確認
契約書や重要事項説明書に記載されている「特約事項」を確認しましょう。特に「クリーニング費用」や「原状回復特約」の有無に注意が必要です。
② 入居時の状態を記録
入居時に室内の写真を撮影し、壁や床の状態を記録しておくと、退去時のトラブルを防ぐのに役立ちます。
③ 定期的な清掃とメンテナンス
換気や掃除を定期的に行い、カビや汚れの発生を防ぎましょう。また、設備の不具合があれば早めに報告することも重要です。
④ 退去時の立ち合いに備える
退去時の立ち合いでは、管理会社や大家さんと一緒に室内の状態を確認します。修繕箇所について納得できない場合は、ガイドラインを基に話し合うことも可能です。

いかがでしたか?賃貸物件の原状回復費用は、借主の故意や過失による損傷に対してのみ発生します。
通常の生活による汚れや劣化は貸主が負担するのが基本です。契約時の条件をよく確認し、入居・退去時の記録を残すことで、不要なトラブルを防ぎましょう。物件探しや契約に関する疑問があれば、ぜひお気軽にトーマスリビングまでお問い合わせください。
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